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縦長配置にこだわらない

部屋の配置と空間印象

部屋の形や大きさが変われば、音の印象も変わる。これは多くの人が直感的に理解できることだと思います。しかし、同じ部屋を縦長に使うか、横長に使うかによっても、音の空間印象大きな差異が生じます。

一般的には、横長配置(図1b)で音を聴く方が、音の拡がり感音に包まれた印象が得やすく、縦長配置(図1a)よりも、はっきりとした音像(sound image)が得やすくなると考えられます。

   

部屋の配置方法

図1. 部屋の配置方法

部屋の配置と伝送特性

また、石井伸一郎氏1)によると、横長配置には、天井が低い部屋における伝送特性が改善されるというメリットもあるそうです。

   

天井が低い部屋を「縦長配置」で使用すると、特定の周波数(低音域)で音の強さが弱くなってしまいます(図2a)。これを改善するには、本来は天井を高く造り直さないといけないのです。しかし、同じ部屋を横長配置にするだけで、こうした低音域における伝送特性の落ち込みが解消できるというのです(図2b)。

   

縦長配置の伝送特性
図2(a)縦長配置の伝送特性

*図は文献1より引用

横長配置の伝送特性
図2(b)横長配置の伝送特性

最新の音響理論で

こうしたメリットがあるにもかかわらず、旧来の設計理論では、ずっと縦長配置が推奨されてきたのです。しかし、このように改めて見直してみると、旧来の設計理論にはいくつか改善すべき点があることに気付くのです。ですから本来は、旧来の設計理論を過信せず、一軒一軒、「最新の音響理論」で住まいの音環境をデザインしていくことが重要になるのです。

◇◆◇◆

そのためには、やはり住宅レベルの小空間でも、音響コンサルタントなどの専門家に積極的に相談すべきだといえるのです。予算の都合でなかなか難しいことだと思いますが、そうでもしないと「住まいの室内音響技術」は、今後も刷新されないままの「泥沼状態」から抜け出せなくなるのです。

   

   

 参考文献
(1)石井伸一郎 リスニングルームの音響学―シミュレーションと測定で徹底解析!. 誠文堂新光社, 2009.

   

特集5. 部屋の形状と良い音場の条件

(1) 拡散にはこだわらない / (PDF:30KB) /  3ページ
(2) 縦長配置にこだわらない / (PDF:189KB) / 5ページ

図表などを使った詳細なコラムは、上記リンクからご覧いただけます。もちろん無料です。


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