- 2008-12-26 (金) 17:16
- 思考特性と家づくり
「頭のよい子が育つ家」1)
- 有名中学の合格者の多くが、家族とコミュニケーションをとりながら勉強していた
- 家族とのコミュニケーション量と学力との間には因果関係が成立している
- 家族とのコミュニケーションが増えるような間取りにすれば、子供は賢くなる
一見、正しい論理展開のようにみえますが、実はかなりあやしい論理展開です。なぜならこの著書で分かっていることは、表2の黄色部分、表1でいえば、Aの事柄だけなのです。

ヒトには考えや仮説と反する事例を過小評価し、仮説を確証するような情報を選り好む傾向があります(表2黄色部)。これを「仮説確証バイアス」といいます。また、ヒト(読者)は2つの事柄の間に共変関係が存在しない場合でも、共変関係が存在すると判断する傾向があります。これを「共変性・随伴性の錯覚」といいます。特に、表1のA、表2の黄色部分のような情報(2つの事柄が共に起こるケース)を見た場合、こうした傾向は強くなるのです。
最悪の場合は、表2の黄色部の情報だけで、コミュニケーション量と知能の間に因果関係が成り立っていると考えてしまうのです。
◇◆◇◆
著書の内容を生かした「頭の良くなる家」などを発売する建設会社もあるそうです。こうした一連の社会的反応をみて私は、ある有名な著書の邦題を思い浮かべました。
「人間この信じやすきもの」
著者に悪意があった訳ではなく、読者も別にだまされたと思っているのでもありません。ただ単に、ヒトの思考が形式論理には則っていないだけなのです。一生に一度の買い物。だからこそ、家づくりはあえて論理的に行った方がよいと思うのです。
「家づくり・人間ジャーナル」の特集「思考特性を理解する」もご参照ください。
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